AITranslator v1.5.0 が大きく進化しました(連載 1/5)全体像のご紹介

2026-05-28
8分で読了
更新: 2026-05-28
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目次

Movable Type 向けの AI 翻訳プラグイン「AITranslator」の v1.5.0 をリリースしました。今回のアップデートは、これまでの v1.x のなかでも特に大きな変更を含んでいます。新機能の数も多く、1 本の記事にまとめると全体像がつかみにくくなりそうでしたので、5 回の連載に分けてご紹介することにしました。

この第 1 回では、全体像をご紹介します。「AITranslator とは何か」というところから始めて、v1.5.0 で何ができるようになったのかを一通り整理します。各機能の詳しい使い方や設定方法は、第 2 回以降で 1 つずつ取り上げる予定です。

AITranslator とは

AITranslator は、Movable Type 8 / 9 向けの AI 翻訳プラグインです。記事・ウェブページ・コンテンツデータを、ChatGPT・Gemini・Claude のいずれかを使って自動翻訳できます。

翻訳ボタンを 1 回押すだけで、本文・タイトル・概要などのテキスト系フィールドを LLM がまとめて翻訳し、翻訳元と翻訳先のコンテンツを「翻訳グループ」として相互に紐付けます。テンプレートタグも用意していますので、フロント側では言語切替ナビゲーションを数行で記述できます。

詳しい製品紹介は 製品ページ をご覧ください。

なお、AITranslator がどのような課題を解決するのかは、以前のブログ記事でも詳しくご紹介しています。多言語サイト運用でよくある悩みから解説していますので、製品の全体像をつかみたい方はあわせてご覧ください。

v1.5.0 で何が変わったか

今回のアップデートでは、サイト間翻訳の実運用で直面しやすい課題をまとめて解決することを目指しました。具体的には次の 7 つのテーマです。

1. コピー対象フィールドマッピング(翻訳しない値の引き継ぎ)

これまでの AITranslator は、テキスト系のフィールドのみを翻訳の対象としており、それ以外(数値・URL・日付・時刻・選択肢など)には対応していませんでした。そのため、翻訳元と翻訳先のコンテンツタイプが異なる場合に、翻訳されないフィールドの値が翻訳先で空のままになってしまうことがありました。

v1.5.0 では「コピー対象フィールドマッピング」という新しい設定セクションを追加しました。翻訳しないフィールドを翻訳先へそのままコピーするためのマッピングを、明示的に設定できます。

コピー対象フィールドマッピングの設定画面

2. すべてのマッピング UI に「AI で候補生成」

マッピング作業は、フィールド数が多いほど手間がかかります。v1.4 まではカテゴリマッピングと値マッピングのみに「AI で候補生成」ボタンを用意していましたが、v1.5.0 では翻訳対象フィールドマッピングとコピー対象フィールドマッピングにも追加しました。

あわせて、AI 候補生成の内部処理も刷新しています。翻訳先サイトのフィールドラベルが翻訳先言語ではなく英語名のままであったり、まったく異なる名前であったりしても、LLM が意味的に最も近い候補を選びます。たとえば日本語の「サッカー」に対して翻訳先の選択肢が「Football」「Tennis」であれば「Football」を選ぶ、という具合です。

「AI で候補生成」の実行結果

3. 異なるコンテンツタイプ間(クロスコンテンツタイプ)翻訳の正式サポート

翻訳元と翻訳先で異なるコンテンツタイプを指定する運用は、v1.4 でも利用自体は可能でしたが、今回あらためて正式サポートとして整備しました。同じコンテンツタイプの場合は data を丸ごとコピーしてから翻訳対象フィールドを上書きし、異なるコンテンツタイプの場合はマッピングと自動マッチで非翻訳フィールドの値を引き継ぎます。これらの挙動が安定して動作するようになっています。

4. サイト間のカテゴリ/フォルダ/カテゴリセットマッピング

翻訳先サイトが別のサイトの場合、これまではカテゴリやフォルダの ID が異なるため関連付けがスキップされていました。v1.5.0 では専用のモーダル UI で、カテゴリ・フォルダ・カテゴリセットの ID を明示的に対応付けできます。

カテゴリ/フォルダ マッピングのモーダル

5. 選択肢フィールドの値マッピング

セレクトボックス・ラジオボタン・チェックボックスといった選択肢系フィールドは、サイトによって選択肢の値が異なる場合があります(たとえば翻訳元の「公開予定」を、翻訳先サイトでは「scheduled」と定義しているケースなど)。v1.5.0 では、フィールドマッピングの行から専用のモーダルを開き、翻訳元の値と翻訳先の値を 1 つずつ対応付けできるようになりました。カテゴリ/フォルダ マッピングと同じく「名前で一致」「AI で候補生成」も利用できます。

6. LLM タイムアウトの環境変数化

LLM への HTTP リクエストタイムアウトを、環境変数・mt-config.cgi ディレクティブ・プラグイン設定画面のいずれかから 30〜1800 秒の範囲で指定できるようになりました。デフォルトは 300 秒です。長文や多言語の翻訳でタイムアウトが発生する場合は、調整してみてください。

7. 分割翻訳パイプライン

翻訳の実行を「プラン生成 → フィールドごとに翻訳 → 確定」の 3 段階に分け、フロントエンドから順次 HTTP リクエストを送る方式に変更しました。1 リクエストあたりの処理が「1 フィールド分の LLM 応答」までに短縮されるため、Apache の ProxyTimeout や Nginx の proxy_read_timeout といったインフラ側のタイムアウトに切られにくくなっています。翻訳ウィジェットには「翻訳中 2/5: 本文」のようなフィールド単位の進捗も表示されます。

連載予定

第 2 回以降は、それぞれの機能を 1 つずつ取り上げていく予定です。

テーマ
第 2 回翻訳しないフィールドも翻訳先へコピー(コピー対象フィールドマッピング)
第 3 回マッピング作業を大幅に効率化する「AI で候補生成」
第 4 回サイトやコンテンツタイプが異なる場合の翻訳(クロスサイト・クロスコンテンツタイプ翻訳)
第 5 回長文や多言語一括翻訳も安定稼働(分割翻訳パイプライン & タイムアウト調整)

アップグレード時の注意

v1.5.0 ではスキーマバージョンを 1.0008 から 1.0010 に上げています。アップグレード後、初回の管理画面アクセス時に MT 標準のスキーマアップグレード画面が表示されますので、「アップグレード開始」ボタンをクリックして category_mapping 列と copy_field_mapping 列の追加を完了させてください。既存データへの影響はなく、自動マッチがフォールバックとして動作しますので、設定を入れ直さなくても従来どおり動作します。

念のため、本番環境では事前に DB のバックアップを取得しておくことをおすすめします。

まとめ

以上、v1.5.0 の全体像をご紹介しました。新機能の数が多いため、それぞれをじっくり試すにはある程度の時間がかかります。とはいえ、サイト間翻訳・多言語サイト運用に本格的に取り組む際、これまでの v1.x では不足していた部分がしっかり埋まったと考えています。

次回は「コピー対象フィールドマッピング」を取り上げます。これまで翻訳先で空になっていた数値・URL・日付フィールドが、設定 1 つで翻訳先にコピーされるようになる機能です。

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